肩を痛めました
元々5年前に庭でちょっと高い所から落下して、左側を地面に強打しまったのが始まりです。足を切って血が出ましたが、それより左肩と左腕を強打したもので、助けを呼ぶにも、痛くてしばらく動けませんでした。
「生まれて初めて骨折か⁉︎」
…救急に行くかどうか迷ったのですが、何とか起き上がって、2~3時間程様子を見ることにしました。
「骨折したら腫れ上がるから、病院へ行く」と決めてました。しかし、腫れる様子もなく…腕が問題なく動いたので、スルー。
「でも、何で肩から肘まで紫になってんの?」と疑問でした。「人間って結構タフにできてんだなあ」と、思いながら1ヶ月ぐらい経つと…
「痛い…」日に日にどんどん痛くなって、激痛に変わりました。動く度にナイフで刺されるような痛みでした。人間って日常的にドアを右手で開けても、左手で閉めたりしてるんですね。何気ない造作で激痛を起こし、叫んでしゃがみ込む羽目になっていました。
ソファにもたれることも辛く、眠れないぐらい痛い。何とか寝ても、朝に起き上がるのが、凄まじく痛い。ベッドから起き上がることが不可能で、わざとベッドから転げ落ちて、床で5分ぐらいうずくまって激痛に耐え、落ち着いてから立ち上がっていました。
年末年始だったので、ホームドクターの予約に1か月も要しました。「日本だったら、翌日に整形外科に行って、レントゲンは当日、MRIは1週間後なのに…」と海外在住である自分を恨みました。
肩の腱を痛めたみたい
ホームドクターは触りもしないで「腕の筋肉が落ちて平らになってるねえ。ちょっと早いけど50肩」と笑いました。
「何もおかしくない…」とムカつきました。この時は未だ痛みのピークでした。
「骨」の心配しかしてなかったので、取り敢えずレントゲンだけしました。痛すぎて技師さんの指示するポーズが大仕事でした。
…結果、「骨に異常なし」。
近所の人に「筋肉だったら、治るのに2年かかるわよ」言われたので、筋を傷めたんだなあと、放置する以外の選択はありませんでした。
激痛は徐々に減りましたが、1年半後でも肩腕の奥に痛みを抱えていました。腕をまっすぐしたままなら、なんとかカバンや買い物袋をさげることも出来るようになりました。
怪我をして2年後ぐらいで、「運動出来るかな?」レベルに達しました。リハビリは全くやりませんでした。普通にヨガを始めました。困ったことは無かったけど、10ヶ月ぐらいしたら、関節が炎症したかのような痛みを感じました。
2度目の肩の怪我
その頃に、ちょっと長らく出来なかった天井の修理をしたくなりました。ほんのちょっとの事だったので、簡単に終わらせるつもりでした。使ったのは電気ドリル…右利きなので、右手で使っていたのですが、ちょっと力が必要だったので、怪我をした左手を添えて、グッと押しました。
痛いーーーっ!!
左の肩腕が中でバキッとなったのが分かりました。すぐに激痛が襲ってきました。腕肩の怪我をすると『地球の引力』を物凄く感じます。腕って、肩からぶら下がってるものですから、腕が「鉄の様に重い」んです。足なら座れば無重力ですが、腕肩は座っても、重いんです。ソファーにもたれても、ベッドに横になっても、圧迫されて痛いんです。痛い&重い腕から逃れる事は不可能でした。
その2回目の怪我からの激痛は最初の怪我の時より遥かに、ゆるい激痛でした。「ゆるい激痛」なんて笑えますが、涙がちょちょ切れる時間やしゃがみ込む時間が10分の1ぐらいですかね。基本的に「ちょっと違う」と言うのが、ありました。この時は上腕筋が痛くて手を洗う事さえ不自由でした。仕事でキーボードに左手を置くのに右手でで持ち上げないと、届きませんでした。
「前は治るのに2年かかったので、今回は1年ぐらいかな」と想定しました。
超音波診断
ホームドクターが引退されたのを機に、別のドクターで新規一転の診療となりました。今度は女性のドクターで、「五十肩だね」と笑い飛ばすことはありませんでした。そもそも五十肩は同じ肩に2回ならないんですが…
ドクターは私の腕を回したり、押したりして、「腱断裂してるかな」と言いました。超音波診断の予約を入れました。1ヶ月半ぐらいで受ける事が出来ました。MRIを希望しましたが「未だ早い」と却下されました。MRI大国の日本なら、当たり前のごとく受けれますが…
結果、「棘下筋の石灰沈着性腱炎」、「上腕筋は問題なし」、「4つのローテーターカフは繋がってる」でした。「4年前の怪我で腱が部分断裂して、炎症が酷かったので石灰が発生し消える事無く蓄積されてしまった」という説明でした。
ホームドクターにフィジオセラピーに最低7週行くように言われました。「未だ痛いのに動かしていいのか?」と思ったけど、フィジオに行かないと、整形外科医の診断は受けれないという、州保険のプロトコルがあるんです。「整形外科医に会わないと話にならない!」と言うことで、フィジオに通いました。おまけにカイロプラクターで簡易衝撃波セラピーとレーザーセラピーも受けました。
フィジオは8週行きましたが、まだ炎症中だったのでさらに増して痛いだけでした。後で「怪我をして1年して腕が不自由だったら行くべき。それまでは言ってはダメ」というのを外科医ではない肩の専門医から叱られました。フィジオはホームドクターに言われて通ったのですが、実際のところ、ホームドクターは窓口で、州保険のプロトコルに従って指示を出すだけで、専門的なことは分からないんですね。
だから、日本のように初めっから整形外科医に会えるのが理想。
外科医とMRI
それから、月日は流れ、痛みは少なくなり、ヨガのクラスに戻りました。腕を下ろすときに、引力でガーンと勢い余って落ちて痛むので、健康な右手で支えながらの運動です。もちろん腕に体重がかかるポーズは出来ません。でも動かさなければ、本当に五十肩になるので、ボチボチと頑張りました。
そして2回目の怪我から10か月後にやっと外科医と会えました。超音波と撮り直したレントゲン、素手で診断されました。
「これは手術だよ。棘下筋に石灰が当たっていると凄く痛いんだ」
手術の準備としてMRIオーダーが出ました。外科医が優先患者にしてくれたので、たた5週間後の予約になりました。「たった5週」です。日本で考えられないけど…
MRIはウルサイ、長い、じっとしてるのが痛い、寒い、でした。帰りは腕が棒状態で、肘が曲がりませんでした。片手運転で帰えらざるを得ませんでした。
そしてついにMRI診断結果が来ました。
クリティカルな問題点は2つ。
1)棘下筋が部分断裂して、石灰沈着性腱炎を起こしている(=すでに超音波とレントゲンで分かっていたこと)、
2)遠位鎖骨に骨髄浮腫がある(NEW)
他にMRIで見つかったことは超音波診断では「異常なし」とされていた、MRIで上腕筋の2カ所が縦に断裂していることが分かりました。h一つは長頭(外側の筋)のど真ん中、もう一つは長頭の上側で棘下筋と繋がっている場所でした。
・・・だから、「上腕筋が鉄の様に重い」と言ったのに〜!
ただ、筋が縦に断裂してる場合は、未だ繋がっている(=完全にぶっ千切れていない)という事なので、手術で繋げる必要はありません。治療法は「放置」。一度、断裂した筋治りません。萎縮して、隙間は脂肪で埋められます。基本的には、痛みがなくなって、腕が使えればそれで「完治」と言う事です。
最初に外科医と会ったときは「棘下筋の石灰を手術で除去する」との話だったのですが、MRIの結果を見て・・・
外科医は「いいニュースか悪いニュースか分からないんだけど、MRIの結果で手術はしない」と言われました。
ええーっ! 年数が経っても石灰が残っているから、棘下筋とすれて痛いし、運動制限で上腕筋はかなり痩せてしまっているのに?
理由は上腕筋の断裂が見つかったので、痛みは棘下筋の石灰だけが原因ではない、という事でした。外科医はMRIで見つかった遠位鎖骨の骨髄浮腫については説明しませんでしたが、後で調べると・・・
「骨の中の浮腫なので、圧力がかかって、骨の中を圧迫=痛い」
・・・という事でした。遠位鎖骨は肩に接してる鎖骨の端だそうです。骨髄浮腫の治療法は得になし。「放置」のみ。場合によっては骨に穴を開けて圧力を外に逃す外科医的なこともするそうですが・・・。足に骨髄浮腫ができると、痛くて歩けないそうですね。遠位鎖骨では歩きませんが、骨が中から圧迫されるので、痛いということでした。リウマチの痛みに似ているそうです。
手術ができない
結局、棘下筋の石灰との摩擦から来る痛みは手術できても、治療法ののない上腕筋部分断裂と骨髄浮腫からの痛みが発見された以上、外科医は手術をすることが許されなかったのです。
州の決まりです。手術代は州保険で100%カバーされますので、州のプロトコルがあり、規定に合わなければ施行不可能なのです。
外科医に「私はどうすれば良いのですか?」と再確認すると・・・
「消炎鎮痛剤を摂りながら、運動やフィジオ等のセラピーで石灰を自然消滅させる」との答えでした。
自然消滅しなかったので、どんどん悪くなって、骨髄浮腫まで出来てしまったんじゃあないかと、
現在、運動をする日はセレブリックスという消炎鎮痛剤を摂っています。炎症は敵だと言う事を学びました。慢性石灰沈着性腱炎になり5年、手術もしてもらえず、骨髄浮腫が気になりながら、痛みと暮らしています。
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